東洋医学では、夏は心臓が主役となる季節です。自然現象の「火」のエネルギーと同一視されます。
東洋医学でいう心臓は、ポンプだけでなく、知識や才能、感情や五感の統括役等、西洋医学では脳の役割とされることも一部含みます。
余談ですが、臓器移植を受けた患者さんに、時に前の持ち主の才能や性格が付け加わってしまうことがあるのはこのためです。東洋医学を学んだ者にとっては、神秘でもなんでもありません。ありうること、当然のことです。
例を挙げると、病院で脳血管障害と診断が出た患者さんが、東洋医学を希望された場合、
・鍼灸師なら、心(しん)と心(しん)を助ける経絡やツボを多用し、
・漢方専門の中医師や薬剤師なら、やはり、心(しん)にちなむ生薬の入った処方を厳選することが多いです。
もちろん例外や別の原因もあるのですが、まずは考慮に入れる臓腑です。
夏は心臓が健全な人なら更に元気に才能を発揮できます。一方で、心臓がアンバランスだったり、過剰な人なら、心臓や脳が病んだり、発作を起こしやすい季節です。
そして、結論から言うと、心臓は、恐怖や水のエネルギーとセットである腎臓からブレーキをかけられるので…
良質の娯楽としてのちょっとした怪談なら、夏の行き過ぎた心臓を、ほどよくクールダウンさせてくれるのです!!
こう言うと…冬のほうが、心臓や脳の発作が起きやすいのでは?と思われる方も多いと思いますが…これもまた、陰陽五行論で説明できます。
冬は、腎臓が主役の季節です。そして、腎臓は常に心臓にブレーキをかけるので、たとえ五臓六腑のバランスが良い人でも、やや心臓と小腸が弱りますし、もともと弱い人なら危険なことすらあるのです。
なので、極論を言えば、
心臓や脳の一部については、
夏は火や心臓の気が過剰なせいで病気や発作が起きやすく、冬は水や腎臓の気が過剰になり、心臓の気が弱るせいで病気や発作が起きやすいということです。
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